「三太郎の日記 第一」より 著者:阿部次郎
る偉大の事實ではない。意識と無意識との矛盾を解する者は、偉大の意識の中にも眞に侮蔑に堪へたる空虚と自己
諂諛とを見る。さうして弱小無力の意識の底にも、涙を誘ふ純一と無邪氣との中にスク/\と延び行くいのちの尊....
「笑」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
う。真の意義に於いての道徳に※《かな》つてゐるでせう。それに人間が皆絶大威力の自然といふ主人の前に媚び
諂《へつら》つて、軽薄笑ひをして、おとなしく羊のやうに屠所へ引いて行かれるのですね。ところが、その心の....