「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
その※《ひたひ》に觸るゝを見、その聲を呑みて微かに泣くを聞きたり。 次第に集りたる衆人の中より、忽ち
邏卒々々《らそつ/\》と呼ぶ聲を聞けり。われは目に見えぬ幾條の腕もて拉《ひ》き去らるゝ心地して、此場を....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
戸室《とむろ》の麓《ふもと》、岩で城を築《つ》いた山寺に、兇賊《きょうぞく》籠《こも》ると知れて、まだ
邏卒《らそつ》といった時分、捕方《とりかた》が多人数《たにんず》、隠家《かくれが》を取巻いた時、表門の....