「妖僧記」より 著者:泉鏡花
》あり。戸数は三十有余にて、住民|殆《ほとん》ど四五十なるが、いずれも俗塵《ぞくじん》を厭《いと》いて
遯世《とんせい》したるが集りて、悠々閑日月を送るなり。 されば夜《よ》となく、昼となく、笛、太鼓、鼓....
「処女の純潔を論ず」より 著者:北村透谷
ゆゑに。畜生に伴《ともなは》る。これこの身の不幸なり。しかれども穢《けが》し犯されず。ゆくりなくも世を
遯《のが》れて。自得の門に三宝の引接《いんぜう》を希《こひねが》ひしかば。遂に念願成就して。けふ往生の....
「支那人間に於ける食人肉の風習」より 著者:桑原隲蔵
食人肉。有債主及奴。詣臨安。止於客舍。飮之醉。竝殺之。水銀和煎。并骨銷盡。後又欲食其婦。婦知之。踰墻而
遯。以告縣令。令詰之。具得其情。申州録事奏。奉勅杖一百而死。 といふ。同書に同時代に施州刺史であつた....