「わが俳諧修業」より 著者:芥川竜之介
こそばゆく感ぜしことを忘れず。 作家時代。――東京に帰りし後《のち》は小沢碧童《をざはへきどう》氏の
鉗鎚《けんつゐ》を受くること一方《ひとかた》ならず。その他|一游亭《いちいうてい》、折柴《せつさい》、....
「死」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
潔な巾《きれ》が掛けて、その上にサモワルといふ茶道具が火に掛けずに置いてある。その外、砂糖を挾む小さい
鉗子《かんし》が一つ、茶を飲む時に使ふ匙が二三本、果物の砂糖漬を入れた硝子《ガラス》壺が一つ置いてある....
「印度更紗」より 著者:泉鏡花
両方の鬢《びん》に十二枚の黄金《こがね》の簪《かんざし》、玉の瓔珞《ようらく》はら/\と、お嬢さん。耳
鉗《みみわ》、腕釧《うでわ》も細い姿に、抜出《ぬけで》るらしく鏘々《しょうしょう》として……あの、さら....