「庭」より 著者:芥川竜之介
にか旧態を保つてゐた。瓢箪《へうたん》なりの池も澄んでゐれば、築山《つきやま》の松の枝もしだれてゐた。
栖鶴軒《せいかくけん》、洗心亭《せんしんてい》、――さう云ふ四阿《あづまや》も残つてゐた。池の窮《きは....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とに分ち飮ましめ、又別に臨みて我に核《さね》の落ち去りたる松子《まつのみ》一つ得させつ。 まだをぢが
栖《すみか》にゆき着かぬに、日は暮れぬ。我は一言をも出さず、顏を掩《おほ》うて泣き居たり。をぢは我を抱....