「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
大公爵の所有にかかる大きな「焼きガラス」も見た。つまり大きなレンズに外ならぬ。これにて太陽の光を集め、
酸素でダイヤモンドを焼き、ダイヤモンドは純粋の炭素より成ることを確めた。 四月初めにはローマに向い、....
「或阿呆の一生」より 著者:芥川竜之介
に腐つた死骸の匂も存外悪くないと思つたりした。が、死骸の重なり重《かさな》つた池の前に立つて見ると、「
酸鼻《さんび》」と云ふ言葉も感覚的に決して誇張でないことを発見した。殊に彼を動かしたのは十二三歳の子供....
「一番気乗のする時」より 著者:芥川竜之介
しくなつてくる。ざわめいてくる。あすこが一寸《ちよつと》愉快だ。ざわめいて来て愉快になるといふことは、
酸漿提灯《ほほづきぢやうちん》がついてゐたり楽隊がゐたりするのも賑《にぎや》かでいいけれども、僕には、....