「拓本の話」より 著者:会津八一
のものでなく、四つあるべきもので、其一ともいふべきものが嘗て大倉氏の集古館に納められてあつたが、あの大
震災のために燒けて仕舞つた。他の今一つの唐櫃こそは、長へに失はれて全く行く所を知らないのであるが、何か....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
い、そういう場面が見られる処へ行きたいという慾望でぶるぶる顫える。手を這う。手は殺したい慾求でわなわな
震える。それは、自由な、何よりすぐれた、自分の心を思うままにすることが出来る、上品な刺戟を求めている人....
「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
き兎を逐《お》ひ、自ら南洲を學ぶと謂ふ、疎《そ》なり。 一一 雲煙聚於不得已。風雨洩於不得已。雷霆
震於不得已。斯可以觀至誠之作用。 〔譯〕雲煙《うんえん》は已《や》むことを得ざるに聚《あつま》る。風....