「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
先方と目があつた。間違つてはゐなかつたのだ。それはフランク・ブレイスブリッジであつた。快活で愛想のよい
青年で、わたしが嘗て一緒にヨーロッパ大陸を旅行したことのある人物だ。この再會は限りなく樂しく懷しいもの....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
。わたし達の到着が傳へられると、直に家長自身が他の二人の子息と一緒に出迎へに出て來た。子息の一人は陸軍
青年士官で、賜暇を得て歸省してゐたのであつた。いま一人はオックスフォードから戻つた大學生であつた。主人....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ってきた。タッパン・ジーの広い水面はじっと鏡のようで、ただところどころに静かな波がおこって、遠くの山の
青い影をながくのばしていた。琥珀色《こはくいろ》の雲が二つ三つ空にうかび、風はそよりともせず、雲は動か....