「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
とした。相手もおなじようにした。彼は憂鬱になってきた。讃美歌をまたはじめようとしたが、からからに乾いた
舌が上顎《うわあご》にくっついてしまった。一節も歌えなかった。この執拗《しつよう》な道連れが不機嫌にお....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
いが晩秋の月のいい日に香椎の山で会が持たれて、一同は久作さんの山家で気勢を上げたそうである。飲む程に喋
舌《しゃべ》る程に、熱を上げ、降りしきる虫の声も眠る頃に及ンでやっと三人かたまり五人集って、三里の道を....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
いうものは、なんて美しい、赤い、艶のいい、明るいものなのだろう。私はそれが飲んでみたくなった。そして、
舌の先を血に触れてみた。味が好かった。だが、憐れむべきその小鳥には、血が少ししかなかった。私は望んでい....