「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
る。 父子再會の有樣はいかにも愛情に滿ち溢れてゐた。夜は更けてゐたので、老主人はわたし達に旅裳束を着
替へることも許さず、すぐさま大勢集つてゐるところへ案内したが、團樂の場所は古風な大廣間であつた。集つた....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
あるのにも拘らず、二三年の間は私はまるで之をやらなかつた。根分もやらず、小さい鉢に植ゑた儘で、土を取り
替へもせず、芽も摘まず、勿論水も途絶え勝であつた。云はゞあらゆる虐待と薄遇とを与へたのだ。それでも秋に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。予がこの家に宿して八日目の事なりき。桜時なり、三社の祭りなり、賑い言わん方なしといえば、携え来りし着
替を出し、独り夕方より観音へ参詣し、夜に入り蕎麦店へ入りて京味を試み、ゆらりゆらりと立帰りしところ、裏....