「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
た。ハムやタン、鹽豚の片半身、などが天井からぶら下り、轉串機《くしまはし》は爐邊に絶え間なく音を立て、
柱時計は一隅に時を刻んでゐた。よく磨かれた樅材の食卓が臺所の一方に片寄せて置かれ、その上には冷肉の腿や....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
古風な樣式で、鐡の閂を備へ、上部は奇想を凝した華やかな唐草と花模樣で飾られてゐた。門扉を支へる巨大な角
柱は頂上に一家の紋章をめぐらしてあつた。門に接しては番人の家があつたが、鬱蒼たる樅の樹蔭に隱れ、殆ど植....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ていた。小船が一|艘《そう》はるか遠くにただよって、潮の流れにまかせてゆっくりと河を下り、帆は垂れて帆
柱にかかっていた。空が静かな水に映えて光っているので、その船はまるで空中に浮んでいるように見えた。 ....