「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
なことだと思われた。私はそこで自分の書いたものを整理しようと考えたのである。 私は久しい前から机の抽
斗《ひきだし》を掃除しようと思っていたのだ。私は三十年来、同じ机の中へ手紙も勘定書もごたごたに放り込ん....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
はユニイクだと云はうが何だらうが差支へない。が、氏を自然主義の小説家たり、且《かつ》思想家たる文壇の泰
斗《たいと》と考へる事は、今よりも更に出来憎かつた。遠慮のない所を云ふと、自然主義運動に於ける氏の功績....