「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
までお守り下さい。 カートライト 皓々と月照る夜であつた、けれど寒さは嚴しかつた。わたし達の馬車は
凍《い》てついた大地をりんりんと疾驅した。馭者は絶え間なく鞭を打鳴し、馬は暫く勢よく疾走を續けた。「馭....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
》を着た幽霊のように彼の路を取りまいているのを見て、なんどもなんども彼はぞっとしたものだ。自分の足音が
凍った地面に鳴る音にびくびくして、いくたびもからだをちぢこまらせた。そして、うしろを見ようものなら、な....
「狂女」より 著者:秋田滋
月のこえを聞くと、この町にも普魯西の兵隊が攻めて来た。 僕はそれを昨日のことのように覚えている。石が
凍って割れるような寒い日のことだった。痛風がおきて僕自身も身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に....