「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
、顏には微かに天然痘の痕があり、秋の霜にあつた木の葉のやうに、いつも乾いて赭みを帶びてゐた。その眼は敏
捷で活々として居り、その底から覗いてゐる茶目つ氣は何人《なんぴと》の頬をもほころばせずにおかない底のも....
「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
へう》犬羊の分るゝ所以なるを。今の文士、其れ武事を忘る可けんや。 九九 遠方試歩者、往往舍正路、※
捷徑、或繆入林※、可嗤也。人事多類此。特記之。 〔譯〕遠方《えんぱう》に歩を試《こゝろ》むる者、往往....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
が早いか割つて食ふ。しかもその間中、眼は終始一貫して、寸分も舞台を離れない。自分はこの視覚と味覚との敏
捷《びんせふ》な使ひ分けに感心して、暫くはその男の横顔ばかり眺めてゐたが、とうとうしまひに彼自身はどち....