「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
ろ、保吉《やすきち》は三人の友だちと、魚河岸《うおがし》の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露
柴《ろさい》、洋画家の風中《ふうちゅう》、蒔画師《まきえし》の如丹《じょたん》、――三人とも本名《ほん....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
らりょと覚悟した』と、大声《おおごえ》に歌をうたいながら、織田殿《おだどの》の身内に鬼《おに》と聞えた
柴田《しばた》の軍勢を斬《き》り靡《なび》けました。それを何ぞや天主《てんしゅ》ともあろうに、たとい磔....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ろいろな物が並んでいますな。」 母の枕もとの盆の上には、大神宮や氏神《うじがみ》の御札《おふだ》が、
柴又《しばまた》の帝釈《たいしゃく》の御影《みえい》なぞと一しょに、並べ切れないほど並べてある。――母....