「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
白菓子盜、林檎受、葡萄取などが行はれた。ユール・クロッグ〔クリスマス・イーヴに焚く木〕やクリスマスの蝋
燭は絶やさぬやうに燃され、寄生樹《やどりぎ》は白い實をつけて掲げられ、綺麗な女中たちに今にも危險をふり....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
くたち籠めている。霧は並木路をつつんでしまって、鈍い光をはなっている瓦斯《ガス》灯が燻《くすぶ》った蝋
燭のようにみえる。私の両の肩をいつもより重く圧《お》しつけているものがある。おおかた晩に食ったものが消....
「悪魔」より 著者:芥川竜之介
がらつれて来た。 内陣には御主《おんあるじ》耶蘇《ヤソ》基督《キリスト》の画像《ぐわざう》の前に、蝋
燭《らふそく》の火が煤《くす》ぶりながらともつてゐる。うるがんはその前に悪魔をひき据ゑて、何故《なぜ》....