「百万人のそして唯一人の文学」より 著者:青野季吉
形がない以上、数量で測れるやうなものでなく、即刻即座の反響が聞かれる筈もない。しかし彼が、作家の内部に
儼存《げんぞん》することそのことで、形あるもの以上に形があり、時空を超《こ》えてひろがる可能性をもつた....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
て悪魔の徒弟とはならない。汝《なんじ》がこれしきの真理を会得せぬこそ、寧《むし》ろ意外である。すべては
儼然《げんぜん》たる因果の理法の現れで、金は飽《あく》まで金、鉛は最後まで鉛である。魂の品質は、決して....
「三太郎の日記 第一」より 著者:阿部次郎
位にあることは勿論である。天才は下瞰して與へ、凡人は仰視して受ける。自然の世界に於いて大小強弱の對照が
儼存することは洵にやむを得ない。 或人がなし得る處を或人はなし得ない。或人が到達し得る處に或人は到達....