「クラリモンド」より 著者:芥川竜之介
れた響は、深い高い音を、打たれた時に「無」が発する戦慄すべき音を、陰々と反響した。それから彼は柩の蓋を
捩《ね》ぢはなした。わしは其時クラリモンドが大理石像のやうに青白く、両手を組んでゐるのを見た。彼女の白....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
えぬ。知らぬ子供あまたおもしろげに我めぐりを馳せ※りて、燭涙の地に墜ちて凝りたるを拾ひ、反古《ほご》を
捩《ひね》りて作りたる筒に入れたり。我等が行くは、きのふ祭の行列の過《よぎ》りし街なり。木葉《このは》....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
物を貰うようになっても余り多くは喰べない。しかしその少しの食物が犬の様子を大相に変えた。今までは処々に
捩《よじ》れて垂れて居て、泥などで汚れて居た毛が綺麗になって、玻璃《はり》のように光って来た。この頃は....