「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
、漕《こ》ぎ廻《まは》る有様《ありさま》、屏風《びやうぶ》の絵《ゑ》に見たる屋島《やしま》壇《だん》の
浦《うら》の合戦《かつせん》にも似《に》て勇ましゝ、大尉《たいゐ》が大拍手《だいはくしゆ》大喝采《だい....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
々日の暮の光と一しょに、天使や聖徒の見舞う事があった。現にあのさん・じょあん・ばちすたさえ、一度などは
浦上《うらかみ》の宗徒《しゅうと》みげる弥兵衛《やへえ》の水車小屋に、姿を現したと伝えられている。と同....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
室を見渡していたが、やがて眼を私の方に転じると、沈んだ声でこう語り出した。「その友だちと云うのは、三
浦直樹《みうらなおき》と云う男で、私《わたし》が仏蘭西《フランス》から帰って来る船の中で、偶然近づきに....