「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
兒島に奔《はし》る。一日南洲、月照の宅を訪《と》ふ。此の夜月色|清輝《せいき》なり。預《あらかじ》め酒
饌《しゆせん》を具《そな》へ、舟を薩海に泛《うか》ぶ、南洲及び平野次郎一僕と從ふ。月照船頭に立ち、和歌....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
《アジア》風の譬喩の多かりしことよ。汝が如き詩人ならましかば、そを樂みて聞きもせん。我は恰も消化し難き
饌《せん》に向へる心地して、肚《はら》のうちには彼女子今か出づるとのみおもひ居たり。此時翁は感ずべき好....