「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
英国王は彼をナイトに叙した。一七八四年のことで、年は三十一歳であった。それからババリアで、陸軍大臣、警
視総監、侍従兼任という格で、軍隊の改革をやる、兵器の改良をやる、貧民の救助をやる、マンハイムやミュンヘ....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
、存分に立派な菊が作られないといふことになつて居る。ところが私は昨年も一昨年もあらゆる菊作りの法則を無
視して作つて見た。たとへば春早く根分けをすること、植ゑる土には濃厚な肥料を包含せしめなければならぬこと....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆《いりまめ》の音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜《すいか》日を
視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚《よ》りて眺むれば、両岸の家々の火、水に映じて涼しさを加え、い....