「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
反対票があったのみで、翌一八二四年の一月八日に名誉ある会員に当選した。 デビーの妬み深いのは、健康を
損してから一層ひどくなった。この後といえどもファラデーのデビーを尊敬することは依然旧のごとくであったが....
「一片の石」より 著者:会津八一
入つた石碑は、羊公歿後に立てられたままでは無かつたらしい。といふのは、歿後わづか二百七十二年にして、破
損が甚しかつたために、梁の大同十年といふ年に、原碑の残石を用ゐて文字を彫り直すことになつた。そして別に....
「大久保湖州」より 著者:芥川竜之介
心に望失なはば得意なりし時を思ひ出すべし。 卑屈は敵と思へ。 負くる事に安んじて勝つ事を知らざれば
損其身に至る。 成すは成さざるより勝れり。 僕は思はず微笑した。この湖州|大久保余所五郎《おほく....