「支那の明器」より 著者:会津八一
物づくめである。それこそゲテモノ展の観がある。しかし私は苟しくも早稲田大学で東洋美術史といふ少し私には
荷物の勝つた講義を御引き受けして居る関係から、何も持たぬ、何も知らぬでは済まされないと思つて、とにかく....
「百万人のそして唯一人の文学」より 著者:青野季吉
つたところから、その転身となつたのだ。純小説に賭《か》けた自己がたうてい持ち切れなくなつたので、その重
荷を下したまでだ。転身後のそんな空虚な自己に堪へられない作家は、たいてい沈黙してしまつたが、中には、自....
「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
うだい》を神奈川に築《きづ》き、外人の來り觀るを許さず、木戸公|役徒《えきと》に雜り、自ら畚《ふご》を
荷《にな》うて之を觀る。茶店の老嫗《らうをう》あり、公の常人に非ざるを知り、善く之を遇す。公志を得るに....