「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
黒い顔をピラミッドのように積みあげて、大よろこびでこの光景を見つめ、白い眼玉をぐるぐるまわしながら、象
牙《ぞうげ》のような白い歯を耳から耳までむきだして、にたにたしていた。悪戯小僧どもを鞭《むち》でこらす....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
立派な犬をくれてやろう。」と言ったと思うと、もう口笛の声が森中にひびき渡って、一匹の斑犬《ぶちいぬ》が
牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。「これは噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最後、どんな....
「老いたる素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
進んでゐた。 それが暫く続く内に、葦原醜男は少しづつ素戔嗚より先へ進み出した。素戔嗚は私《ひそか》に
牙《きば》を噛んで、一尺でも彼に遅れまいとした。しかし相手は大きな波が、二三度泡を撒き散らす間に、苦も....