「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
。Charles Baudelaire と云ふ。マネが侯爵夫人の画像を得て、愛翫《あいがん》する事|洪
璧《こうへき》の如し。千八百六十六年、ボオドレエルの狂疾を発して、巴里《パリ》の寓居に絶命するや、壁間....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
爵家の人々の所謂教育は斷えず腦髓を刺戟し、我を驅りて詩國に入らしめ、我心頭には時として我生涯の一篇の完
璧をなして浮び出づることあり。その中にはいかなる瑣細なる事も、いかなる厭ふべく苦むべき事も、一として滿....
「東京市騒擾中の釣」より 著者:石井研堂
傍《かたわら》に見物せる男に与へたり。普通の釣師は、三日四日の辛抱にて、「跳ッ返り」一本挙げてさへ、尺
璧《せきへき》の喜びにて、幾たびか魚籃《びく》の内を覗き愛賞《あいしょう》措《お》かざるに、尺余の鯉を....