「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
行も名高くなったりしたのは、少しも無理はございません。何しろ夕霧と云い、浮橋《うきはし》と云い、島原や
撞木町《しゅもくまち》の名高い太夫《たゆう》たちでも、内蔵助と云えば、下にも置かぬように扱うと云う騒ぎ....
「大正十二年九月一日の大震に際して」より 著者:芥川竜之介
裏庭を見ると、八重《やへ》の山吹《やまぶき》も花をつけてゐる。 山吹を指《さ》すや日向《ひなた》の
撞木杖《しゆもくづゑ》 一游亭 (註に曰《いはく》、一游亭は
撞木杖をついてゐる。) その....