「尾形了斎覚え書」より 著者:芥川竜之介
都度《つど》嬉しげに、微笑《ほほゑ》み居り候。右、はるれやと申し候は、切支丹宗門の念仏にて、宗門仏に讃
頌《さんしよう》を捧ぐる儀に御座候由、篠、其節|枕辺《まくらべ》にて、泣く泣く申し聞かし候。依つて、早....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
《わるくち》をあびせかけたのも、やっぱりこの国の学者です。今でも確かゾイリアの首府には、この人の立派な
頌徳表《しょうとくひょう》が立っている筈ですよ。」 僕は、角顋《かくあご》の見かけによらない博学に、....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
知らない中《うち》に祭事は進んで、最後の儀式即ち参詣の処女に僧正手ずから月桂樹を渡して、救世主の入城を
頌歌《しょうか》する場合になっていたのだ。そしてクララだけが祭壇に来なかったので僧正自らクララの所に花....