「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れだ。梟《ふくろう》のさびしい声。突然しげみの中でがさがさいうのは、鳥がおどろいて巣から飛びたつ音だ。
蛍さえもひどく暗いところで鮮かにぴかりぴかり光り、ときどき並みはずれてよく光るのが路《みち》を横ぎって....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
と思ってあけて見ると、「朝日」の二十入りの空《あ》き箱に水を打ったらしい青草がつまり、それへ首筋の赤い
蛍《ほたる》が何匹もすがっていたと言うことです。もっともそのまた「朝日」の空き箱には空気を通わせるつも....
「芸術その他」より 著者:芥川竜之介
奉ずるものより、実際的には更に災に違ひあるまい。後者は少くも星の代りに隕石《ゐんせき》を与へる。前者は
蛍を見ても星だと思ふだらう。素質、教育、その他の点から、僕が常に戒心するのは、この誤つた形式偏重論者の....