「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
属だとだと」は底本では「金属だと」]、固体のときでも液体のときでも、よく伝導してその模様に変りはない。
脂肪だと、固体のときでも液体のときでも、電流を導かない。その他の物体では、固体だと電流を伝導しないが、....
「秋」より 著者:芥川竜之介
阪の郊外へ、幸福なるべき新家庭をつくつた。彼等の家はその界隈《かいわい》でも最も閑静な松林にあつた。松
脂《まつやに》の匂と日の光と、――それが何時でも夫の留守は、二階建の新しい借家の中に、活《い》き活きし....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
を据ゑて、「カラマゾフ兄弟」か何か読んでゐた。あたれと云ふから、我々もその置炬燵へはいつたら、掛蒲団の
脂臭《あぶらくさ》い匂《にほひ》が、火臭い匂と一しよに鼻を打つた。久米は今、彼の幼年時代に自殺した阿父....