「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
し、また別の隅には、機織《はたお》り機械から下ろしたばかりの麻と毛とを交ぜたたくさんの織物や、玉蜀黍の
穂が置いてあった。乾《ほ》し林檎と挑とが紐《ひも》でつないで、にぎやかに花づなのように壁につるしてあっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ
穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国《しょうごく》としてこの地の名をも挙るものなれとて、いよい....
「或阿呆の一生」より 著者:芥川竜之介
活に興味を失つてゐた。「制作慾もやつぱり生活慾でせう。」 彼は何とも答へなかつた。芒原はいつか赤い
穂の上にはつきりと噴火山を露《あらは》し出した。彼はこの噴火山に何か羨望《せんばう》に近いものを感じた....