「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
では濟まないのである。梅や香料、砂糖や蜂蜜も、パイやスープと並べられる。今こそ曲節《ふし》面白く音樂が
奏でられる、若い者は踊つて歌つて身體を温《ぬく》めなければならない、よし老人たちは爐傍に坐りこんでゐよ....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
しめた。それを聞くと此の若い吟詠詩人は、しばし瞳《め》を上げて記憶を辿るやうな樣子をしてゐたが別の曲を
奏で始めた、そして慇懃な魅惑を含んだ姿態で、ヘリックの『ジューリアに贈る小夜曲』を歌ひ出たのであつた。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るという一手だった。 やがて、広間から音楽のひびきがきこえてきて、ひとびとをダンスに呼びあつめた。演
奏するのは年配の白髪頭の黒人で、もう五十年以上もこの界隈《かいわい》で巡回音楽師をしていた。その楽器は....