「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
ことにした。遠い距離ではなし、馬車は後からついて來るのであつた。行く手はうねうねと續く立派な並樹道で、
裸の枝の間に光をこぼしながら月は澄み渡つた大空の深い穹窿を渡つてゐた。彼方の芝生は一面に雪に薄く蔽はれ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
れて彼の胴巻を探るに、悲しやある事なし。気絶して其所《そこ》に倒れんとするほどになり、二階に駆け上りて
裸になりて改めれどなし。泣く悲しむという事は次になり、ただ茫然たるばかり、面目なきながら深沢に話せば、....
「初雪」より 著者:秋田滋
てやろう。そうすれば、良人《あのひと》だって思い切って煖房を据えつける気になるだろう」 彼女はそこで
裸も同然な姿のまま椅子のうえに腰をかけた。こうして彼女は時計が一時を打つのを待ち、更に二時が鳴るのを待....