「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
立てるのであらう。わたしは三人の美しい薔薇色の頬をした少年と一緒に、車内に乘つて行つた。少年たちの顏に
溢れるはちきれさうな健康と、男らしい氣魄とは、わたしが今迄にも此の國の子供達のうちに見て來たものであつ....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
あれば、氣紛れと慈悲心が不思議に混り合つてゐるのを見るのである。 父子再會の有樣はいかにも愛情に滿ち
溢れてゐた。夜は更けてゐたので、老主人はわたし達に旅裳束を着替へることも許さず、すぐさま大勢集つてゐる....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の手紙を渡せば、その人は受取りて表書の名を見るより涙を
溢して悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安否を問い、幾度か....