「きりしとほろ上人伝」より 著者:芥川竜之介
唯中へさしかかつたと思ふほどに、白衣のわらんべが重みは愈《いよいよ》増《ま》いて、今は恰《あたか》も大
磐石《だいばんじやく》を負ひないてゐるかと疑はれた。所で遂には「きりしとほろ」も、あまりの重さに圧し伏....
「地獄変」より 著者:芥川竜之介
か何かに相違ございますまい。その外或は鉄《くろがね》の笞《しもと》に打たれるもの、或は千曳《ちびき》の
磐石《ばんじやく》に押されるもの、或は怪鳥《けてう》の嘴《くちばし》にかけられるもの、或は又毒龍の顎《....