「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
詠詩人は、しばし瞳《め》を上げて記憶を辿るやうな樣子をしてゐたが別の曲を奏で始めた、そして慇懃な魅惑を
含んだ姿態で、ヘリックの『ジューリアに贈る小夜曲』を歌ひ出たのであつた。 螢の眼《まなこ》 君もちて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
三、四回振動するだけで、すぐ止まってしまう。アラゴは人に頼んで、底の銅を分析してもらったが、少しも鉄を
含んではいなかった。 そこで、アラゴの考えるには、銅が磁針の運動を止めるからには、反対に銅を動したな....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
もあらゆる菊作りの法則を無視して作つて見た。たとへば春早く根分けをすること、植ゑる土には濃厚な肥料を包
含せしめなければならぬこと、鉢はなるべく大きなものを用ゐること、五月、七月、九月の芽を摘まなければなら....