「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
顛末を「フラザー雑誌」に出し、それがまた十一月二十八日の「タイムス」に転載された。英王ウイリアム四世も
棄てて置けなくなって、仲裁にはいられ、十二月二十四日にファラデーは三百ポンドの年金を受けることになった....
「一片の石」より 著者:会津八一
洋でも、あるひは何処の極《はて》でも、昔から人間が努めてゐる姿は目ざましい。人は死ぬ。そのまま地びたに
棄てておいても、膿血や腐肉が流れつくした後に、骨だけは石に似て永く遺るべき素質であるのに、遺族友人と称....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
尋ぬるを用いず、恍然《こうぜん》自失して物と我とを忘れしが、人間かかる清福あるに世をはかなみて自ら身を
棄《すて》んとするかの小女こそいたわしけれとまたその事に思い到りて、この清浄の境に身を置きながら種々の....