「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
なお轉婆娘で、彼女の元氣がよすぎるため彼は絶えず油斷ができないで、優美に踊らうと云ふ彼の眞面目な試みも
挫かれてしまつた。かうした不似合な相手と結びつくことは老年紳士が不幸にしてよく見る例である。 若いオ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
ごぶが》りに刈りこんだ頭は、ほとんど岩石のように丈夫そうである。彼は昔ある対校試合に、左の臂《ひじ》を
挫《くじ》きながら、五人までも敵を投げた事があった。――そういう往年の豪傑《ごうけつ》ぶりは、黒い背広....
「老いたる素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
若者を憎む心が動いて来た。のみならず、一度殺さうと思つた以上、どうしてもその目的を遂げない中は、昔から
挫折した覚えのない意力の誇りが満足しなかつた。「さうか。それは運が好かつたな。が、運と云ふものは、何....