「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
でも、屡《しばしば》氏の作品やその主張が話題に上つた。我々は大抵、武者小路氏が文壇の天窓を開け放つて、
爽《さわやか》な空気を入れた事を愉快に感じてゐるものだつた。恐らくこの愉快は、氏の踵《くびす》に接して....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
ではない。今は飯田蛇笏君である。――手紙の往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように如何にも俊
爽の風を帯びている。成程これでは小児などに「いやに傲慢な男です」と悪口を云われることもあるかも知れない....