「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
任せてしまふ。彼の務は宿場から宿場へ馬車を驅るだけでいいのだ。馭者臺を降りると、外套のポケットへ兩手を
突込む、そして宿の庭先を身體をゆさぶりながら、如何にも王侯氣取で歩きまはる。ここで、大抵は彼の崇拜者の....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
に昔は廣間であつたもので、老主人も明かにそれを昔の儘の姿に修復しようと心掛けたものと見えた。どつしりと
突き出てゐる煖爐の上には、甲冑をつけて白馬の側に立つた武士《ものゝふ》の肖像が掛つて居り、それと向ひ合....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ル(原註)の鳴く声。雨蛙《あまがえる》の不吉な声は嵐《あらし》の前ぶれだ。梟《ふくろう》のさびしい声。
突然しげみの中でがさがさいうのは、鳥がおどろいて巣から飛びたつ音だ。蛍さえもひどく暗いところで鮮かにぴ....