「日本の女」より 著者:芥川竜之介
は、なかなかおもしろい。 例へば、サア・オルコツクは、或る田舎《ゐなか》家の縁先で、ばあさんが子供に
灸《きう》をすゑてゐるのを見て、「われわれ人間は、古今《ここん》を問はず、東西を問はず、架空《かくう》....
「文芸的な、余りに文芸的な」より 著者:芥川竜之介
るものではない。江戸末期の英吉利《イギリス》公使だつた Sir Rutherford Alcock は
灸《きう》を据《す》ゑてゐる子供を見、如何に僕等は迷信の為にみづから苦めてゐるかと嘲笑した。僕等の風俗....