「一片の石」より 著者:会津八一
を飲みながら、友人と詩などを作つて楽しんだものであるが、ある時、ふと同行の友人に向つて、一体この山は、
宇宙開闢の初めからあるのだから、昔からずゐぶん偉い人たちも遊びにやつて来てゐるわけだ。それがみんな湮滅....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
と意識とによって、世を要約し、世の歴史を自己の中に蔵めている。各個の人間は、物の鏡、事実の鏡であって、
宇宙の中で一つ一つの小天地をつくっている。しかし、試みに旅に出てみよ。雑多な民族が、到る処にうごめいて....
「墓」より 著者:秋田滋
いるのです。そのひとの眼、愛情がそのなかで微笑《わら》っている、そのひとの凉しい眼は、あなたにとっては
宇宙よりも広く感じられ、世界の何ものよりもあなたの心を惹くように思われるのです。つまり、そのひとはあな....