「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
の如き、皆天下に雷名あり。)又|曰《いはく》、「悪魔の変化《へんげ》自在《じざい》なる、法律家となり、
昆侖奴《こんろんぬ》となり、黒驪《こくり》となり、僧人となり、驢《ろ》となり、猫となり、兎となり、或は....
「蒐書」より 著者:芥川竜之介
く》の乏しい性質である。就中《なかんづく》蒐集《しうしふ》と云ふことには小学校に通《かよ》つてゐた頃、
昆虫の標本《へうほん》を集めた以外に未嘗《いまだかつて》熱中したことはない。従つてマツチの商標は勿論《....
「続野人生計事」より 著者:芥川竜之介
時代でも、蒐集癖《しうしふへき》と云ふものを持つたことはない。もし持つたことがあるとすれば、年少時代に
昆虫類の標本《へうほん》を集めたこと位であらう。現在は成程《なるほど》書物だけは幾らか集まつてゐるかも....