「秋」より 著者:芥川竜之介
が俊さんに差上げる筈の手紙を読んでいらしつたのでせう。あの手紙がなくなつた時、ほんたうに私は御姉様を御
恨《おうら》めしく思ひました。(御免遊ばせ。この事だけでも私はどの位申し訳がないかわかりません。)です....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の側役《そばやく》で、算筆《さんぴつ》に達した老人であったが、平生《へいぜい》の行状から推して見ても、
恨《うらみ》を受けるような人物では決してなかった。が、翌日瀬沼兵衛の逐天《ちくてん》した事が知れると共....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
方が、紺屋の職人に桶で散々|撲《なぐ》られたのだそうです。すると、米屋の丁稚《でっち》が一人、それを遺
恨に思って、暮方《くれがた》その職人の外へ出る所を待伏せて、いきなり鉤《かぎ》を向うの肩へ打ちこんだと....