「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
に極めて古い時代のもので、どつしりした石の圓柱を持つた弓形張出窓には常春藤《きづた》が這ひ纏はり、葉の
茂みの間で小さな菱形の窓硝子が月影に煌めいた。建物の他の部分はチャールズ二世時代のフランス趣味に從つて....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いおこしてみると、わたしがまだ少年のころはじめて栗鼠射《りすう》ちで手柄をたてたのは、この渓谷の片側に
茂っている高い胡桃《くるみ》の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午《ひる》ど....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
に庭を埋めて咲かずしもあらず 今植うる菊の草むら咲き出でて小蜂群れ飛ぶ秋の日をおもふ 武蔵野の木ぬれを
茂み白菊の咲きて出づとも人知らめやも 武蔵野の霞める中にしろ妙の富士の高根に入日さす見ゆ (大正十二年三月二十三日談)....